私たちは日々、さまざまな経験を通して自分の望みを描き、それを現実化しながら生きています。
かつては仕事で大きな成果を上げ、周囲から頼りにされ、充実した人間関係や経済的な豊かさを手に入れていたとしましょう。
自分の足でしっかりと立ち、人生をコントロールできているという確かな手応えを感じながら、生き生きとした毎日を送っていたはずです。
しかし、人生の中では、ほんの少しの出来事や特定の人間関係をきっかけに、それまでのバランスが大きく崩れてしまうことがあります。
エネルギーをごっそりと奪われるような恋愛関係や、心身をすり減らすような人間関係を経験したことで、それまでの自分らしさが嘘のように消え去ってしまうケースは決して珍しくありません。
相手に振り回され、自分の軸を見失ってしまうと、かつては明確だったはずの自分の夢や、自分が何を感じているのかさえも分からなくなってしまいます。
目の前の現実に対してどのような反応を示せばいいのか迷い、無力感と共に日々を過ごしている人もいるかもしれません。
今回の記事では、こうした深い喪失感や無力感に陥ったとき、どのようにして本来の自分を取り戻し、波動の調和を取り戻していくのかについて、エイブラハムの教えを元に考えていきます。
過去の輝かしい記憶と、現在抱える深い無力感のギャップ
かつては人生を謳歌し、何でも望み通りに現実化できていた人ほど、突如訪れた不調のトンネルから抜け出すことに苦労しがちです。
以前の状態を振り返ってみると、そこには人生を謳歌する十分な理由がありました。
仕事で素晴らしい成果を出している自分を観察し、周囲の人々が自分を必要としてくれていることを感じ、お金に恵まれ、望み通りライフスタイルを送っているというポジティブな状況が目の前にありそこに意識を向けていたからです。
そうした素晴らしい現実を観察し続けることによって、自然と内側から良い感情の反応が生まれ、さらなる良い引き寄せが起きていました。
しかし、エネルギーを奪うような人間関係を経験してしまったことで、その状態は一変してしまいます。
なぜ再び良い気分を味わうことが難しくなってしまうのかといえば、単純に「気分良くない状態」の記憶や体験が、今の本人にとってあまりにも新しく、強烈だからに他なりません。
エイブラハムは、気分がすぐれない状態からなかなか抜け出せない相談者に対して、次のように語りかけています。
「それにはただ、気分が良くないことの方がより直近の記憶であるという理由しかありません。言い換えれば、あなたが再び立ち直れない理由は世界中のどこにもないのです。」
Abraham-Hicks Publications
(“it’s just because they’re not feeling good has been more immediate that’s all. In other words, there’s no reason in the world for you to not rebound…”)
楽しかった過去の記憶よりも、直近で受けた心の傷や消耗感の方がリアリティを持って感じられるため、そこからなかなか抜け出すことができなくなってしまうのです。
しかし、それは決して永久的なものではなく、いつでも軌道修正は可能であるとエイブラハムは説いています。
現実を変えるために最も必要な「言葉」と「思考」の変革
私たちが無意識のうちにやってしまいがちなのが、「私はあの人にエネルギーを奪われた」「すっかり無力にされてしまった」というストーリーを何度も心の中で繰り返し、言葉にしてしまうことです。
もちろん、実際にひどい経験をしたのであれば、そう感じてしまうのはごく自然なことであり、その痛みを否定する必要はありません。
しかし、エイブラハムの教えによれば、自分が「エネルギーを奪われた」「無力だ」という言葉や思考のドラムをいつまでも叩き続けている限り、現実が変わることはありません。
だからこそ、私たちは自分の思考のパターンや言葉の使い道に意識を向け、それを変えていく決意をする必要があります。
これまでのネガティブな語り方をやめ、次のように意識を切り替えるのです。
「『私は消耗している』と言うのをやめ、代わりに『ああ、少し遠回りをしてしまったけれど、Uターンして、自分の行きたい場所に向かっているんだ』と言い始めなければなりません」
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(“…you have to stop saying ‘I’m drained’ and you have to start saying, ‘Oh, I took a little detour, but I’ve made a u-turn and now I’m headed to where I want to go’…”)
このように語る言葉のトーンを意図的に切り替えていくことで、人生の主導権を再び自分の手に取り戻すのです。
感情のスケールを上る:怒りや不満を恐れずに解放するプロセス
心身が深く傷ついたとき、「いつも明るく前向きでいなければならない」「前向きに考えなければならない」と自分に無理をさせていませんか?
実は、その無理がさらなる抵抗を生み、回復を遅らせてしまう原因になります。
無力感に打ちひしがれている状態から、いきなり心からの喜びや感謝の感情にジャンプすることは非常に困難です。
そのためエイブラハムは、段階を踏んで感情の階段を上っていくプロセスを勧めています。
無力感から抜け出すための意外かつ効果的なステップとして、感情を解放することが重要になってきます。
「ですから私たちなら、無力感を感じているその場所から始めて、ほんのしばらくの間、本気で怒るでしょう。言い換えれば、裏切りに焦点を当て、自分が好まなかったことに焦点を当て、怒りを感じさせるものに焦点を当て、その怒りから得られるホッとする感覚を味わい、しばらくの間そのドラムを叩き続けるのです」
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(“…we would suggest that you start in this place of feeling disempowered and you get real mad for just a little while… and we would feel the relief of the anger and we would beat that drum for a little while…”)
長年抑え込んできた怒りや、理不尽さに対する怒りを湧き上がらせることで、無力感の沼から抜け出すためのエネルギーが生まれます。
怒りを感じて、そこから一時的な解放感やスッキリ感を得られたならば、次は少しだけ気が楽になる思考へと焦点をシフトさせていきます。
いきなり完璧を目指すのではなく、ホッとする感覚を頼りに、階段を上がるように感情のステップを少しづつ上げていくのです。
周囲の声を遮断し、自分にとっての「心地よさ」だけを追求する
人生の軌道修正を図る上で最も障害になるのが、周囲の意見や、他人がどう思うかという世間体です。
友人や家族、あるいは社会常識からのアドバイスが、かえって自分の内側の声をかき消してしまうことは少なくありません。
しかし、波動を改善し、本当の自分を取り戻すためには、他人が何を言っているのかを完全に無視する勇気が必要です。
今この瞬間、自分にとって何が少しでも気分を良くしてくれるのか、そのことだけに全神経を集中させることが求められます。
エイブラハムは、自分の波動を改善するための唯一確実な方法について、次のように力強く断言しています。
「いかなる段階的な波動の向上をも成し遂げたいのであれば、他の人々が言っていることすべてを無視し、自分にとって何がより気分良く感じられるかだけに注意を払わなければなりません」
Abraham-Hicks Publications
(“…you’ve got to insist on vibrational Improvement and the only way you can make any steady vibrational Improvement is to disregard everything that everybody else is saying and only pay attention to what feels better to you…”)
もし、今怒ることが少しでも気分を良くするなら、思う存分心の中で怒ればいいし、何かについて不満を言うことでホッとするなら、それをすればいいのです。
重要なのは、どんなときでも「今、自分を少しでも楽にしてくれる選択肢は何か」を探し続ける姿勢です。
大きなことを一気に変えようとする必要はありません。
誰にも気づかれないような小さな事柄であっても、自分の心が楽になるような感覚や、ふっと肩の力が抜けるような安らぎを求め続けることこそが、人生を根本から立て直すための最も確実なアプローチとなります。
抵抗を手放した先にある、本来の自分との波動的調和
私たちが人生で直面する苦しみや停滞の多くは、本来の自分とは異なる波動、つまり「抵抗」のエネルギーに縛られていることから生まれます。
「こうでなければならない」「私は傷つけられてしまった」という頑なな抵抗を手放していくプロセスこそが、本来の輝きを取り戻すカギとなります。
小さな安心感を積み重ね、少しずつ気分が楽になる方へと舵を切り続けることで、知らず知らずのうちに心に溜まっていた余分な力みが抜けていきます。
エイブラハムが約束しているように、小さな救いや心地よさを求めて抵抗をリリースしていくと、私たちの内側で驚くような変化が起きます。
「そして私たちが約束するのは、ホッとする感覚を求めることによって、あなたは抵抗を手放すことになり、抵抗を手放したとき、あなたは本来の自分の波動と再び調和するようになるということです」
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(“…and it is our promise that by reaching for Relief you will release resistance and when you release resistance you will be back into the vibrational alignment with who you are.”)
Sourceである本来の自分と波長が合うようになると、かつてのような直感や、スムーズな現実化の感覚が自然と戻ってきます。
かつて経験した痛みを乗り越え、再び本来の自分で生きるようになったとき、きっと以前とはひと味違う、より深く、より揺ぎない自信と充実感に満ちた新しい人生を歩み始めることができるでしょう。