火沢睽(かたくけい)とは?
火沢睽(かたくけい)の卦は、上卦の「火」は燃え上がり上へと行こうとし、下卦の「沢」は下へ流れていくことから、背き合っている状態、相見(まみ)えることがかなわない状態、内面の葛藤などを表します。
「睽(けい)は、小事に吉」
「睽(けい)は、小さい事には吉」という解釈が多いのですが、「睽(けい)は、小さい事。吉」の方がしっくりくる気がしています。背きあったり反目したりがあったとしても、所詮は小さいこと。コップの中の嵐に過ぎないよと言われている気がするのです。”It’s a small world after all.”ですね。
火沢睽(かたくけい)全体の恋愛運
火沢睽は背き合い孤立する時代。ですが男女関係は別で、お互いに心が通じ合います。なぜなら恋は障害があるほど燃え上がるものだから。例えば遠距離恋愛など、相見えることが叶わない恋愛の代表ですが、お互いの愛情が最高に高まるのも遠距離恋愛なのです。離れているときこそ心は通じあうのかも知れませんね。
火沢睽(かたくけい)初爻の恋愛運
悔い亡ぶ。馬を喪(うしな)う。逐(お)うこと勿(なか)れ自ら復(かえ)る。悪人を見る。咎(とが)なし。
火沢睽は背き、反発するとき。初爻は、後悔するようなことがなくなります。馬を喪うでかすら、大切な人があなたから去っていくようなことがあるかもしれません。でも追いかけたり無理矢理連れ戻したりする必要はないでしょう。そのうちお腹が空いて、自分で戻ってくるからです。悪い人があなたに会いにくるかもしれません。会っても悪いことはありません。馬は逃げても追わないのが恋愛成就の秘訣です。
火沢睽(かたくけい)2爻の恋愛運
主に巷(ちまた)に遇(あ)う。咎(とが)なし。
火沢睽は背き合う時代。巷とは街中の小道。主人となる人に会いたくて探していたところ、街の小道で会うことができました。悪いことは何もありません。思いがけない場所で運命の人にばったり出会うかも。そのご縁は大切にしてください。
火沢睽(かたくけい)3爻の恋愛運
輿(こし)の曳(ひ)かるるを見る。其の牛は掣(とどめ)られ、その人天(かみき)られ且つ劓(はな)きらる。初め无(な)くして終り有り。
火沢睽は反目するとき。三爻は、貴人の乗る車が引きとどめられています。牛も前に進まないように留められています。貴人に対してそんな悪さをする人間は罪人として裁かれ鼻切りの刑にあうがいい!(えっ?)大丈夫です。初めはどうなることかと思いますが、最終的には終りあり。すべてうまくいきます。
火沢睽(かたくけい)4爻の恋愛運
睽(そむ)きて孤(こ)なり。元夫(げんぷ)に遇(あ)いて交(こもごも)孚(まこと)す。厲(あや)うけれども咎なし。
睽は背き異なる時代。四爻は背いて孤立しています。そんな中、頼りになる人が現れ誠の心で親密に交流します。心情的には落ち着かない面もありそうですが問題ありません。「交(こもごも)孚(まこと)す」っていいですね。元夫は元彼というよりは、あなたにとって帰るべき人と考えてみてください。
火沢睽(かたくけい)5爻の恋愛運
悔い亡ぶ。厥(そ)の宗、膚(はだえ)を噬(か)む。往けば何の咎(とが)あらん。
火沢睽は、背き異なる時代。見(まみ)えることが叶わないとき。五爻は、その悔いが滅び、親しむべき人に会いに行き深く親密に交流します。進んでいって慶びのあるとき。悪いことは何一つありません。「膚(はだえ)を噬(か)む」は密接不離なことのたとえ。
火沢睽(かたくけい)上爻の恋愛運
睽(そむ)きて孤なり。豕(いのこ)の塗(どろ)を負うを見る。鬼を一車に載(の)す。先には弧を張り、後には之が弧を説く。冦(あだ)するに匪(あら)ず。婚媾(こんこう)せんとす。往きて雨に遇えば則(すなわ)ち吉。
睽は、背いて孤立。上爻は始め疑心暗鬼、後に誤解が解けて和合します。泥に塗れた豚を鬼かと思って、矢をつがえて射ろうとしたところ、鬼ではないことに気づいて弓を降ろします。あなたを傷つけようとしているのではなく、助けようとしているのだ。相手のところへ行って雨に降られたら吉。易経で「雨が降る」は陰陽和合の象徴。大変おめでたいことです。疑いを捨てて彼のところへ行ってください。