離為火(りいか)とは?
「離ということは離婚?!」と恐れられることもある離為火(りいか)ですが、離婚とは直接関係ありません。
「離」の元々の意味は鳥が網やとりもちにかかった様子を表していて、鳥が何かにくっついていることを表す象意です。それが、自分の巣から永遠に離れたということを表すようになって、後年には「離れた」という意味になりました。
離為火(りいか)の意味は「まといつくもの」です。それから火ですから、明るさ、明智、麗しさを象徴します。
離は貞に利ろし。亨(とお)る。牝牛を畜えば吉。
離のときは道にかなっており大変良いときです。願い事は叶います。
牝牛はめすの牛のことですが、易経では牛は中庸、つまり調和が取れていることの象徴です。ですから、「牝牛を畜えば吉」とは「女性として調和の取れた人格を養えば吉」ということです。
受容性、従順さ、たおやかさ、美しさなどをバランスよく備えることが女性としての調和とされています。
男性もこの卦をいただいたときは、受容性や従順さを取り入れることで吉運を招くことでしょう。
離為火(りいか)全体の恋愛運
火を象徴する卦ですが、爽やかな明るさというよりは、メラメラ燃えている感じがします。炎というのは、明るく鮮やかですがその実態は空です。何かにくっついていることでその姿を保っています。中身の空虚さを埋めるために相手に執着し、依存するのは愛とは違います。牝牛ですから、あなたが「恋に恋する」のではなく、足に地をつけた恋愛を意識することで2人の関係はより良いものへと発展していくでしょう。
離為火(りいか)初爻の恋愛運
履(ふ)むこと錯然(さくぜん)たり。之を敬すれば咎(とが)なし。
離為火は麗しく纏いつくもの。初爻は、状況がよく見えていないようです。ゴタついています。愛ではないものを愛と錯覚しているのかもしれません。それでも、あなたの心の中にある暖かいものは真実なのだと思います。心の中に小さく灯った炎を大切にしてください。彼を一人の男性として、ありのままの姿を見るのです。
離為火(りいか)2爻の恋愛運
黄離元吉(こうりげんきつ)。
離為火は、明智、麗しいもの。二爻は、麗しく情熱のある人ですが、控えめであり落ち着いています。高貴でありながら庶民的な方です。そんなあなたの想いは必ず相手から受け入れられ、大きく報いられるでしょう。大いに吉です。思っても見なかったほどの幸運に恵まれるとき。
離為火(りいか)3爻の恋愛運
日昃(かたむ)くの離。缶(ほとぎ)を鼓(う)ちて歌わず。即ち大耋(たいてつ)の嗟(なげき)あり。凶。
離為火は、まといつくもの。三爻は、夕暮れ時です。自分の人生を振り返って考えたくなる時かもしれません。後悔していることがあるのかも。しかし、人生はそれ自体が贈りものです。ドラムを叩いてリズムを取り、恋人と共に歌い踊りましょう。それができずに過ぎた日々を恨めしく思うようなら凶。
離為火(りいか)4爻の恋愛運
突如(とつじょ)其(そ)れ來如(らいじょ)。焚如(ふんじょ)死如(しじょ)棄如(きじょ)。
離為火は、めらめらと纏つく炎。四爻のとき、突然それはやって来ます。今のあなたを苦しめている想いや考えがあるのなら、それを燃やして殺して棄ててしまいましょう。一旦灰にして、新しく輝くあなたとして生まれ変わるのです。
離為火(りいか)5爻の恋愛運
涕(なみだ)を出すこと沱若(たじゃく)たり。戚(いた)むこと嗟若(さじゃく)たり。吉(きつ)。
離為火はまといつくもの。五爻は、涙がぽろぽろと流れて川のようです。心を痛め、嘆いています。それでも吉なのは、涙を流すことが必要だからかも知れません。あなたの流した一粒の涙はキラキラと輝きながら川をくだり、いつか大海へと辿り着くでしょう。あなたの涙を覚えている人のところへ。
離為火(りいか)上爻の恋愛運
王用いて出(いで)て征す。嘉(よ)きあり。首を折る。獲(と)るは其の醜(しゅう)に匪(あら)ず。咎(とが)なし。
離為火は、太陽のような明るさと知性。五爻は、王のような勇気と明智を持って難題を処理します。目的を果たし喜びに満たされるでしょう。憎しみや恨みなどの自分の弱い部分も王のように寛大に許します。何も問題ありません。
まとめ
暗闇に明かりをもたらすのが火ですが、すべてを焼き尽くしてしまうのも火です。
あなたの心の中にあるのはどんな炎でしょうか?
火力の調整には十分な注意を払ってくださいね。