山天大蓄(さんてんたいちく)は、山の中に天のエネルギーが蓄えられているときと見ます。少しスピリチュアルな言い方をするなら、永遠の宝物庫があなたの中に蓄えられているときです。つまり、神の国が今のあなたの中にあるのです。それをただ眠らせておくのは、ちょっともったいないと思いませんか?
山天大蓄(さんてんたいちく)とは?
大畜(たいちく)は貞(てい)に利あり。家食(かしょく)せず吉。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。
大蓄は、道を守って良いとき。家でご飯を食べないことが吉。大きな川を渡るような大冒険に挑戦して、良い結果を得るだろう。
大蓄(たいちく)は、あなたの中に経験、才能、知恵などが蓄えられてきたときです。
その蓄えは、山中の金脈のごとし。
でも、そう言われても「そんなもの自分には何一つない」と感じているかもしれません。
実際に「私には何もない」という言葉を何度も何度も何度も耳にしました。
「自分の中身は空っぽで、実際に何も成し遂げて来なかった。むしろ失敗続きの人生だった」と、多くの方がそうおっしゃいます。
あなたもそうなのかもしれません。本当に何も達成していないのかもしれません。長い間、空虚な夢を見ていただけなのかも?
実にくだらない人生だったのかもしれません。
だとしたらきっと、後悔の中にあるのでしょうね。
でも…本当にそうですか?
本当に後悔しかないくだらない人生だったのなら、それはもう全部川にでも流してはいかがですか?さっぱりしますよ?
そして新しいものを蓄積していくのです。
「家食(かしょく)せず吉」とは、家でご飯を食べることをやめて吉という意味ですが、要するに今現在毎日当たり前にやっていることをやめてみなさいということです。
家食をやめて、もっと大きな目的に向かって進むときが来ましたよ!ということです。
実際にはあなたの中は空っぽではありません。むしろ実力十分、気合も満タン!です。
さあ、ここからどんな大冒険に挑んで行くのか?期待と興奮でワクワクしている。
それが真実です。
山天大蓄(さんてんたいちく)全体の恋愛運~蓄えられた自分の魅力を再発見する
輝く魅力を内に秘めた方です。家にこもって一人でご飯を食べている場合ではありません。どんどん出掛けて人に会う機会を増やしましょう。これまで気がつかなかった自分の魅力を再発見することになるかもしれません。また、自分には無理、できないと思っていたことも、やってみたらそうでもなかったということもあるでしょう。カップルは二人の中に大きな信頼が蓄えられています。ここから二人で愛の大冒険に出るもよし。
山天大蓄(さんてんたいちく)初爻の恋愛運
危(あやう)き有り。已(や)むに利(よろ)し。
山天大蓄(さんてんたいちく)は大きな蓄積のあるとき。初爻は、今やっていることは早めにやめて吉とあります。これまでのやり方に危うさが出てきたので一旦ストップして、新しい経験や体験を蓄積していくときなのです。自分を小さく見せるのもやめてもっと大きなものを目指すとき。彼との未来についても方向性を考え直す好機です。より大きな未来のために。
山天大蓄(さんてんたいちく)2爻の恋愛運
輿(よ)、輹(とこばしり)を説(と)く。
山天大蓄は大なるものを留め養い蓄えるとき。二爻は、車のスポークのようにごちゃっと集まっていたものを一旦バラバラにします。これまでごちゃごちゃしていたものが妙にすっきりするとき。はっきりとした行き先がクリアに見えてきます。たくさん蓄えてきた中から自分なりのセオリーがビシッ!と決まってくるのです。彼との関係も軸が定まって、右往左往しなくなるでしょう。
山天大蓄(さんてんたいちく)3爻の恋愛運
良馬(りょうば)逐(お)う。艱貞(かんてい)に利あり。曰(ここ)に輿衛(しゃえい)を閑(なら)う。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利あり。
山天大畜は大きな力を使いこなせるようになるとき。二爻で心身共にすっきりした二人にもう迷いはありません。山あり谷ありの道のりを苦労はしつつも軽やかに進んで行きます。共に進む道のりが二人の絆を深めてくれるでしょう。これからも苦楽を共にする仲です。大きなことにチャレンジするのも二人一緒なら怖いものなどありません。そしてきっと良い結果を見ることになるでしょう。
山天大蓄(さんてんたいちく)4爻の恋愛運
童牛(どうぎゅう)の牿(こく)。元吉(げんきつ)。
山天大蓄(さんてんたいちく)は山中の金脈のごとき蓄え。四爻は、かなり蓄積されてきました。そしてそれを中庸の徳でグッと押し留めています。「元吉」ですから、あなたの願っていることは然るべきときが来たときに、これ以上ないという嬉しい形で叶うでしょう。彼との関係も、何かを焦って無理くり進める必要はありません。やすやすと気楽な気持ちでいてください。二人の勝利は目の前です。
山天大蓄(さんてんたいちく)5爻の恋愛運
豶豕(ふんし)の牙(か)。吉(きつ)。
山天大蓄は大いなるもの(天のエネルギー)が留め、蓄えられています。五爻はその大きな力を見事にコントロールして、優雅に使いこなします。吉です。これまで修行をし、力を蓄えてきたことの成果を見るでしょう。関係性をじっくりと築いてきた2人です。もう多少のことではびくともしない、強くて深い愛情が育っています。この先、何があっても恐くありません。平安と自信に満ちていてください。願いは叶います。
山天大蓄(さんてんたいちく)上爻の恋愛運
何をか天の衢(ちまた)とせん。亨(とお)る。
大蓄は山中の金脈のごとき蓄え。上爻は、これまで時間をかけた徳や才の修養が完成したところです。衢(ちまた)とは四方八方につながる道のこと。天に通じる道が開通しました。ですから、これからは四通八達、自由自在に力を振るうことができます。今あなたを留めている問題があったとしても、もう何ものでもありません。悩みは消え失せ問題は氷解し、二人の世界を大いに楽しめるようになるでしょう。これ以上は望めないというほどの良いとき。人生の恵みを受け取ってください。
山天大蓄(さんてんたいちく)のまとめ
「自分には何もない」と思っていても、案外人はさまざまな良いものを蓄積していたりするものです。
ただそれを自分で見つけたり、適正に評価するのが難しいだけです。
私は易占いをただ自分のためだけに始めて、長い間一人で学んで楽しんでいましたが、当時は自分の学びが誰かの役に立つとは露ほども思っていませんでした。
「こんなものは世の中的には何の役にも立たない、ただの自分一人の楽しみだ」と思っていました。
ただ自分が面白くて役に立つから使っていたというだけです。何年もそうしていました。
そして「自分には何もない」と頑なに信じていました。
それが「家食」をやめて世の中に公開してみたところ、思いがけない反響があって驚いたのでした。
他にも、自分では「こんなものはロクでもない体験だ」と思うようなことでも、そんな体験でもしなければ学べないことというものは間違いなくあります。
失敗だらけの人生と言う人は学びだらけの人生だったということです。そして人は失敗からしか学べない生き物です。
山天大蓄(さんてんたいちく)のとき、その学びを自分の中にただ溜め込んでおくのもいいですが、天の衢(ちまた)に公開するのも案外いいのかも?